よくバランスのとれた内容です。
文献学的な説明はありませんが、般若心経を読むのに、必要最低限の仏教の知識はしっかりと押さえられています。
その上で、妥当な例話が豊富に載っていて、般若心経を単なる知識ではなく、生きる上でのよりどころとなるような理解を得られるよう配慮されています。通俗的な解釈や著者の人生論になってしまうこともなく、この分野の最良の案内書の中の一冊だと思います。
以下に目次を紹介します。
- はしがき
- 序 講 般若心経はポピュラーなお経
- 第一講 真実を求めて
- 第二講 般若の智慧に生きる
- 第三講 空とは何か
- 第四講 すべては空である
- 第五講 すべてはほんものである
- 第六講 存在をどうとらえるのか
- 第七講 無明もない
- 第八講 四諦もない
- 第九講 心にわだかまりがない
- 第十講 悟りとその働き
- 第十一講 偉大なる呪文
- 第十二講 深い真実のことば
著者 奈良康明
1929年、千葉県生まれ。
東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。
カルカッタ大学大学院人文科学研究科博士課程修了。
駒澤大学教授、同学長、同総長を歴任。
曹洞宗法清寺住職
著書 『仏教史1―インド・東南アジア』(山川出版社)、『釈尊との対話』(日本放送出版協会)、『観音経講義』『仏教と人間』(東京書籍)他、多数
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